1台のスマホで2回線使う方法

先日の全国的なドコモ通信障害で、私も ahamo のスマホがずっと圏外になりましたが、私の友人は、ドコモのスマホ1台のみで、ネットも固定電話も契約していないので、電話もできない、メールもLineもできない、ネット検索もできない状態で、何が起きたのかわからないまま完全なる孤立。不安な一夜を過ごしたそうです。

そんなわけで、ソロライフ心のセーフティネット確保のために、対策法をお伝えしたいと思います。家に帰れば、固定電話もネットもあるし、家族もいるから大丈夫な人には、あまり関係ないかもしれないので、その場合は読み飛ばしてくださいね。

2回線契約する

我が家ではネット回線も、固定電話回線も引いていません。スマホ2台のテザリングを利用して、WIFIネット環境を構築してMacやiPadを繋いでいます。スマホの1台は iphone7 で ahamo の契約。もう1台は Rakuten mini で楽天モバイルの契約です。基本的には ahamo を使用し、データ量が不足した場合のみ、楽天モバイルを使用しています。

で、今回はそのメイン機の ahamo のドコモ回線がダウンしたわけですが、ずっと圏外になった時点で、楽天モバイルのテザリングにWIFIを切り替えたので、ネット環境はそのまま継続できました。ドコモの電話は使えませんでしたが、楽天の電話はもちろん問題なく使用できました。

ということで、まずバックアップ用にもう1台回線あった方が、ソロライフには安心だということです。スマホ2台持ちだなんて、不経済!と思うかもしれませんが、経済的負担も軽減させる方法があるので大丈夫です。

1回線は ahamo がおすすめ

大手キャリアでは、ahamo がなんといってもおすすめです。

私は登山が趣味なので、山上で圧倒的に繋がるドコモ回線は、たとえ大規模な通信障害が起きても外せない回線なのです。稜線上で繋がる電波は、GPS衛星通信ドコモです。遭難時に繋がる命の絆なのです。首都圏でも、ちょっと奥地の農村地帯に入ると、繋がるのはドコモ回線だけです(道の駅まで行けば楽天モバイルもつながりますが)。

また、回線の通信速度がダントツで速いのです。我が家では、ドコモ > au > 楽天・ソフトバンクの順に速いです。テザリングで自宅WIFIとしても利用している私としては、ドコモが圧倒的に実測値だけでなく、実感としても速いのです。

さらに ahamo は、テザリングが無料で、データ通信の上限もありません。ついでに国際ローミングも無料なので、海外でも20GBまでデータ通信ができます(ただし15日間まで)。

なので、メインは ahamo の契約にして、もう1台は使わなければ基本料が無料の楽天モバイル、au povo2.0 にただノリするのがお得です。

なんなら ahamo楽天モバイルpovo2.0 の3回線契約しちゃってください。後述しますが、私はそうしてます。3つはいらないだろ、と思うかもしれませんが、我が家では唯一、5Gが入るのが au なので、3回線にしました。

楽天モバイルを2回線目として契約

楽天モバイルは、うまく利用すればとってもお得です。

楽天との契約は1台目は、データー使用量・月1GBまで月額基本使用料が無料です(楽天回線2台目以降は1,078円)。通話をしなければ1GBまでタダです。これは他社にないすごいポイントです。実際にはユニバーサルサービス料などが 月4円かかりますが、基本的には使わなければ、ほぼ月額0円で運用できます。今回のような時のみフル稼働です。データを無制限で使っても、月額 3,278円が上限なので安心です。

そして楽天モバイルのすごいところは、楽天Linkというアプリを入れて、そのアプリから電話をかけた場合のみ、固定電話でも他社携帯でも国内通話が全てかけ放題の無料なのです。しかもこの場合の通信は、データ使用量に含まれません。これはかなりの太っ腹です。

基本的には使わないつもりで契約し、アプリのアップデートなどでデータが勝手に減らないように、使う時以外は、モバイルネットワークをオフにしておくとさらに安心です。

au の povo2.0 は2回線目、3回線目としておすすめ

povo2.0は、2021年9月末に au が開始した基本料金無料のサービスです。

楽天モバイルでは通信エリアが不安という方にも、とりあえずau回線ならそこそこ大丈夫です。また、povo2.0 は、契約時に「eSIM」のみ契約も選択できます。

必要なデータ量だけトッピングとして購入するシステムで、データ追加1GB(7日間)390円3GB(30日間)990円などがあります。そしてここがポイント! povo2.0には他社にない「データ使い放題24時間 1回330円」という最強のトッピングがあるのです。

1回330円で、24時間は通信量を気にせずに通信可能となります。これは緊急時にも安心! これ企画した人エライ!

データ使い放題24時間は、購入した時点から24時間がはじまるようで、開始時間がよくわからなかったのですが、結局17時頃に申し込んだ時点で、すぐに使えるようになり、その後翌日の24時まで利用できました。つまり利用開始日の残り時間+24時間でした。いいの?

ただし、1点だけ注意事項があります。povo2.0 は基本料金は0円ですが、0円のままずっと維持することはできません。

180日間以上有料トッピングの購入などがない場合、利用停止契約解除となることがあります。また別途所定の手数料等がかかる場合があります。半年に1度は使わないとダメだと思ってください。

※サービス提供開始から1ヶ月経ったところで、まだ1回、330円の24時間使い放題を利用しただけだったのに、povo2.0より「御礼」メールが届き、10GB(15日間有効)のプレゼントがありました。

スマホ1台にデュアルSIMで2回線

さて、2回線契約するとなると、スマホが2台必要ですよね。2台持ちでもいいのですが、ちょっと面倒だし、もう1台買うのも不経済です。そこで便利なのがデュアルSIMです。

デュアルSIMとは、1台の端末に2枚のSIMカードを挿入して、2つの携帯電話番号や料金プランを利用できる機能です。1台で2台持ちと同じような使い分けができます。

SIMフリー、またはSIM解除の端末であれば、異なる通信事業者のSIMを同時に使用できるので、1つは通話かけ放題、もう1つはデータ通信無制限など、それぞれにお得な料金プランを利用することで、1つのSIMよりも幅広い使い方ができます。

1台のスマホで電話番号が2つになるので、1つの電話番号を仕事用に、もう1つの電話番号をプライベート用の通話に使ったりできます。

今回のような通信障害があっても、異なる通信事業者であれば、もう1回線は使用できるのです。

そのためには、デュアルSIMが利用できるSIMフリーのスマホが必要になります。すでにお持ちのスマホが、デュアルSIM対応機種であればラッキーで、なければもう1台購入です。

デュアルSIMが使えるスマホ

デュアルSIMが使えるスマホには、大きく分けて2タイプあります。

SIMカードスロットが1基

今までと同じく物理的なSIMカードは1枚挿入で、もう1つの回線はeSIM(デジタルSIM)を登録するタイプです。

iPhone 12 モデル、iPhone 11 モデル、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR、iPhone SE(第2世代) がこのタイプです。

nano-SIM1枚+ eSIM を組み合わせたデュアル SIM として利用できます。廉価な iPhone SE が対応しているのは良心的ですよね。

SIMカードスロットが2基

物理的なSIMカードを2枚挿入できるます。

iPhone 13 モデルがこのタイプです。eSIM を 2つ有効にするか、nano-SIM1枚+ eSIM1つを組み合わせたデュアル SIM として利用できます。

Android のデュアルSIM対応端末

AndroidのデュアルSIM対応端末もいろいろあるのですが、デュアルSIMは実はとても複雑です。

まず、スマホの周波数帯(バンド)と通信事業者が提供する周波数帯が違っていると使えません。iPhoneの場合は、世界中がApple社の同一製品を利用しているのでほぼ大丈夫なのですが(厳密には中国本土では使えません)、Android 端末の場合は、通信事業者によって対応機種が違います。繋がっても、組み合わせによっては、スムーズに通話できなかったり、場所によって通信ができなかったりします。

また、デュアルSIMの方式によってできることが異なり、利用できないケースもあります。Androidでの利用パターンは検証していないので、ごめんなさい、ここでは紹介できません。

今回は、私が実際に利用している iPhone での具体例のみをご紹介しますね。

iPhone12 で、デュアルSIMを利用

私のスマホは、iPhone 7Rakuten mini ですが、それを今回は iPhone12 1台に2回線をまとめました。さらにpovo2.0も契約して3回線入れました。同時に使えるのは2回線だけですが、切り替えるだけで1台のスマホに3つの電話番号です。

iPhone は、新製品ができると1つ前のモデルが値下がりします。iPhone13 が出たことで、5G対応のiPhone12 が今お買い得です。私は5G対応機種が欲しかったので、iPhone12 にしましたが、5Gにこだわりがなければ最安の iPhone SE でもいいと思います。

ドコモショップの店員も言ってましたが、iPhoneに関しては、Appleからの直接購入が最安です。カラーも容量も選べます。また、Appleで販売されているものは、当然SIMフリーなので、買ったらすぐに通信事業者の縛りなく、好きにデュアルSIMを構築できます。

iOSは最新のiOS15です。5GをデュアルSIMで使うためには、iOS14.5以上が必要です。詳細は Apple

ahamo の nano-SIM を入れ替える

まず、iPhone7SIMスロットから nano-SIM を取り出し、iPhone12に入れます。やり方はこちら。やったことがないとビビるかもしれませんが、ただ物理的に入れ替えるだけです。何度でもやってみてください。これができれば、海外でも格安SIMを買って、気軽にバンバン差し替えて、ジャンジャン使えるようになります。

楽天の eSIM を、iPhone12 に登録

次に楽天モバイルのSIMを iPhone12 に2枚目として入れます。

新たに契約する場合は、SIMのみ契約すればOKです。すでに持っている端末に「Rakuten UN-LIMIT VI」を契約してください。オプションなどは一切不要です。SIMタイプでeSIMを選択してください。

私の場合は、すでに楽天モバイルを契約していたので、eSIMの登録替え作業です。楽天ミニは eSIM(デジタルSIM)なので、物理的なSIMカードがありません。

まず、楽天ミニからeSIMの再発行をします。楽天ミニで「my 楽天モバイル」アプリを開くか、WEBで「my 楽天モバイル」にログインします。契約プラン → 各種手続き → SIM交換を申請する → 再ダウンロードにチェックを入れると、「SIMタイプ」の項目で「eSIM」のみが選択できるので、再発行を申請します。SIM交換手数料0円の表示が出るので、次へ進むをクリックすると、確認メールが届きます。

パソコンから、my 楽天モバイルにログインして、開通用QRコードを表示させます。

次に、新しく使用する iPhone12設定から、モバイル通信 → 「モバイル通信プランを追加」をタップすると、QRコード読み取り画面が上部に出ます。パソコンに表示させたQRコードを読み取ると、あとは自動で開通手続き完了です。詳細は Apple

パソコンがなければ、my 楽天モバイルアプリをスマホにインストールして、開通手続きをしてもOKです。左上のメニュー(横三本の線)から、申し込み履歴をタップすると、一番上の「申込番号〇〇〇〇 準備中 eSIMプロファイルダウンロード準備完了」とある部分をタップ → 開通手続きへ進む → モバイル通信プランのダウンロードとインストールがはじまります。「開通手続きが完了しました」と表示されたら終了です。

楽天Linkアプリもインストールしておきます。このアプリを使った場合のみ、国内電話がすべて無料になります。ただし、0570で始まるナビダイヤルは無料になりません。0120にもかけられないので、お問い合わせなどで、0120や0570の番号しか掲載されていない場合は、「国際電話からかける場合」の固定電話番号がどこかに表示されているはずなので、その番号に掛けると無料でかけられます。お問い合わせって、下手すりゃ30分以上待たされるから超危険ですよね。そんな時には、楽天Linkの無料通話を利用するといいですよ。

これで1台のスマホで、2回線が利用できるようになりました。

povo2.0 の eSIM も、iPhone12 に登録

さて今回、私は povo2.0 を追加で契約し、3回線目として eSIM を入れました。

eSIMは追加登録できます。使える回線は iPhone13 モデルで2回線iPhone12 モデルで1回線のみですが、登録するだけなら複数のeSIMを登録できます

まず、iPhone12povo2.0 のアプリを入れ、「新しい番号を取得し、新規契約」を選択します。メールアドレスを登録し、身分証明書のスキャンと顔の動画スキャンで認証されます。SIMタイプで eSIM を選んで申請すると、2分ほどで申込完了メールが届きました。

次に、パソコンから povo2.0 にログインし、eSIMの開通手続きをクリックすると、QRコードが表示されます。

iPhone12設定を開き、モバイル通信 → 「モバイル通信プランを追加」をタップすると、QRコード読み取り画面が上部に出ます。パソコンのそのQRコードを読み取ると、後は自動で開通作業完了です。

パソコンがなければ、スマホのアプリからコードをコピペして開通手続きを完了させます。QRコードの方が簡単ですが、まあ、そんなに難しくはありません。

povo2.0は契約手続きがスムーズ

余談ですが、今回、povo2.0を新規契約して思ったのは、契約がとてもわかりやすくてサクッとできたこと。

大手キャリアの格安プランは、ネットでの契約のみです。

もう ahamo の時なんか、ネットオタクの私ですら契約できなくて大騒ぎ!  YouTuberさんの動画がなければ無理だったってくらい、dアカウントの紐付けとか、説明がわかりにく過ぎて悲惨でしたが、その点、povo2.0 はメッチャわかりやすかったです。

さらにアカウント作成の際に、パスワードが必要ない。ログイン時には毎回、登録したメルアドに、ワンタイムパスワードのように番号が送られてくる仕組み。これ、いいわー。もうパスワード管理しきれなくて、登録した瞬間に忘れるから、本当に助かる。

そんなわけで、auの頑張りが伝わったので、ちょっと povo2.0 もただ乗りじゃなく、積極的に使ってみようと思っています。大切なのはこういうことですよね。

1台のスマホに3回線

これで1台のスマホで、3回線が切り替えで利用できるようになりました。ahamo は常時接続です。eSIM楽天モバイルpovo2.0 は、設定 → モバイル通信 → モバイル通信プランで、どちらか1回線をオンにすると、他の eSIM 回線は自動的にオフになります。切り替えは簡単にできるので、その時々で好みの2回線を選択するだけです。

海外でもデュアルSIMは便利

海外に渡航した際にも、デュアルSIMなら1台のスマホで、海外用の回線を構築できて便利です。その際には、予め海外で利用予定のeSIMを、日本にいるうちにネットで購入して、登録しておくのがおすすめです。eSIMは追加登録できるので、複数のeSIMを登録しておいて、現地でどの eSIM を有効にするか選択するだけでOKです。

現地で購入したSIMを有効にするために、不慣れな海外でネット接続を探したり、英語でのアクティベートに時間を使うよりも、有効に活用できます。

Appleのサイトでは、eSIMに対応した世界のキャリアの一覧が掲載されているので、ご参考まで。

以上です。