津軽海峡フェリー② 北海道から東京
東京から北海道に車で行き、今度は帰り道。復路の行程はこんな感じです。

1日目:札幌 → 函館港 → 津軽海峡フェリー → 大間港 → むつ矢立温泉車中泊
2日目:むつ市 → 青森 → 秋田・乳頭温泉郷泊
3日目:乳頭温泉郷 → 田沢湖 → 角館 → 福島・国見SA車中泊
4日目:福島 → 東京
車中泊2+温泉泊1
今更ですが、高速道路の料金システムは、遠距離になればなるほど割引率が高くなります。東京から車で北海道に行く場合、当たり前ですが、高速は中途半端に降りない方がお得だと実感しました。
ということで、復路は高速をなるべく使わないルートで帰ってみました。
1日目 函館港から大間港へ
札幌からまっすぐ函館港に向かいます。
国道230号で中山峠を超え、海に突き当たったら右折して、そのまま国道5号を走る下道コースです。札幌から約4時間半です。
豊浦ICから大沼公園ICまで高速に乗ってもいいのですが、高速料金が 3,120円(ETC通常料金)もかかって短縮時間は25分なので、コスパ悪過ぎ、道民は滅多に乗りません。
そして「道の駅なないろ・ななえ」を過ぎたら、無料の高速「函館新道」に七飯藤城ICから入ります。この道は道央道の延伸路ですが、大沼公園ICから七飯藤城ICへの接続が滞り、当面は無料になっています。次の七飯本町ICを過ぎると片側2車線の100km規制です。
このまま函館JCTまで行き、そのまま直進すれば、再び国道5号になり、フェリー・函館山方面に行けます。
朝8時半に出発し、途中の道の駅すべてに顔を出し、往路でパンが美味しかった函館のパン屋「コワン」にも寄ってランチのパンを買い、5時間半後の14時に函館港に到着。
津軽海峡フェリー
津軽海峡フェリー函館ターミナルは、入り口が2つありますが、札幌方面から向かって手前側が大間行きです。車を乗船レーンに止めて、車検証を持って受付へ。今度は「大間」と書かれた青い紙をもらいます。

16:30発大間行きは、15:50から乗船開始なので、ターミナルで時間潰し。函館ターミナルは、とてもきれいでお土産コーナーも充実していました。2階、3階にはクーラーが効いて快適な待合コーナーもありますが、なぜか1階のカフェコーナーに人が集まって、2階、3階はガラガラ。静かに仮眠できる感じです。
乗船時間になり、係員の指示に従って車で乗船します。
船内ではガッツリ寝ようと思って、車中泊用のマットと毛布を持参。レディースルームの端っこに陣取りました。

眠りに落ちる間もなく、18時、大間港に到着。
ここからできれば東北自動車道まで行って、SAで車中泊したかったのですが、1時間も走れば日没です。汗だくだったので、とにかく風呂だけは入りたい! ということで、最寄りの温泉を検索。遅くまでやっていて、高評価だった「むつ矢立温泉」に行ってみました。大間港から50km、約1時間です。
むつ矢立温泉
「むつ矢立温泉」は、むつ市内から恐山方向に、真っ暗な山道を5分ほど登ったところにあります。何もないところに、ポツンと温泉+キャンプ場+ゴルフ打ちっぱなしがある、田舎の観光施設です。

が、到着したら駐車場が満車。こんな山奥にそんなに人が来るのだろうか? と思いつつ、450円を払って昭和な銭湯の雰囲気漂う施設内に入ってみると、老若男女、地元の人たちで大賑わい。客がひっきりなしにやってくる。そしてBGMは、聞いたことのない演歌オンパレード。
大浴場は、真ん中にドンと大きな湯船が1つあり、カランとシャワーが湯船をぐるっと取り囲んで配置されているだけのシンプルな作り。湯船からは、源泉掛け流しの熱いお湯がジャンジャン流れ出しています。
このお湯が、独特ですごくいい! かなり塩っぱくて、鉄分の多いお湯なのです。熱いけど、ちょっと入ったら、クラクラと効いて、すごい!
枕持参で浴場の床に寝転んで、溢れ出るお湯を岩盤浴のように利用している方もいました。
そしてこの矢立温泉は宿泊も可能です。素泊まり(4,400円)、1泊2食(6,600円)、キャンプ(500円)、ライダー向けのバンガロー(2,000円)、そして車中泊も500円で受け付けていました(温泉は別料金)。
「えっ、有料?」と思ったけど、宿帳に記入して500円を払って車中泊を申し込みました。22時までは温泉施設内のトイレを使ったり、ソファーで休んだりできます。ゴミも捨ててOKです。

外のトイレは男女共用で和式の古いトイレなので、女性には厳しいですが、温泉施設内のトイレは自動開閉タイプの最新式です。大浴場が営業している6時〜22時までは利用可能。他に無料の足湯も21時まで利用できます。

車中泊をしている人も、キャンプしている人もいませんでしたが、私的にはおすすめです。従業員の方がずっといるので安心して泊まれます。
そして朝6時。大浴場の写真を撮りたくて、再度450円を支払って温泉に入りましたが、すでに地元のおばちゃんたちで大賑わい。朝組のみなさんがいるようで、大浴場に人がいないタイミングがゼロで、残念ながら写真は撮れませんでした。
2日目 秋田へ
朝風呂の後、むつ矢立温泉を出発して、2日目は秋田の乳頭温泉郷に向かいます。
往路は八戸から回ったので、復路は青森経由のルートにしてみました。むつ市から青森までは、下道で約2時間。高速を利用しても5分しか違いません。
青森ICから東北自動車道に乗り、鹿角八幡平ICまで1時間(ETC通常料金:2,570円)、そこから峠越えで1時間半、計5時間半のルートです。
鹿角八幡平インターを降りたところ、「道の駅かづの あんとらあ」で昼食にします。
あんとらあ? って何? と思ったら、「antler=鹿の角」だそうです。「道の駅かづの」で十分だと思いますが、まあいいか。
きりたんぽ鍋
きりたんぽ館(と言っても母娘でやってる小さな軽食コーナーって感じ)できりたんぽ膳を注文。

お母さんの手作りって感じで、とっても美味しかったですよ。
道の駅かづのは、購買意欲をそそる大変危険な道の駅なので、食べたら早々に退散、と言いながら、イチゴやブルーベリー、ケーキなど、散財しました。
そこからは峠越えで1時間半で、乳頭温泉郷ですが、そこまでの道中には、日本一強酸性PH1.2のラジウム温泉「玉川温泉」もあるので、秘湯ロードです。
乳頭温泉郷
この峠越えが結構ハードでしたが、なんとか無事に本日のお宿「鶴の湯温泉」に到着できました。

本日のお宿は「鶴の湯温泉」です。こちらも前々から泊まりたかった温泉宿で、今回、タイミングよく予約が取れたので初めて泊まります。


3日目 秋田→山形→福島
今日はいよいよ東京に戻りますが、田沢湖と角館の武家屋敷通りを観光しつつ南下して、最後は高速に乗り、SAで車中泊し、深夜料金が適用になってから、翌朝、東京で高速を降りる予定です。
まずは乳頭温泉から車で30分の田沢湖へ。

湖畔を観光して、角館まで30分。ランチは角館の蕎麦屋「野の花庵」へ。

とても感じのいいお店で、天ぷらもお蕎麦も出来立てで、伸びるから早く早く食べて、と急かされながら急いで食べました。
その後、武家屋敷通りを車中から見学。

国道105号「秋田マタギロード」を再び南下して、角館から大曲駅方面へ。横手方面に左折して国道13号に入り、東北中央自動車道(E13)・横手ICに向かいます。
途中、道の駅「美郷」で、アンズやプラム、山ミズ、納豆を購入。

「道の駅 美郷」は同じ敷地内にモンベルもあるので、ガス缶など補充したい時にはいいですね。
再び、国道13号を南下し、横手ICから東北中央自動車道に入ります。横手ICから湯沢ICまでは有料ですが(ETC通常料金:470円)、湯沢ICから雄勝こまちICまでは無料区間です。
道の駅「おがち」
雄勝こまちICで高速を降りたら、国道13号に戻りますが、あるとわかるとついつい寄ってしまう道の駅、道の駅 おがち「小町の郷」に寄り道です。もうどうにでもなれ!

道の駅「おがち」は、施設は旧式で昔ながらの外構えなのですが、内容が濃い。
まず、「こまちカフェ ボスコ」のジェラートが超おすすめ。オリジナルの手作りジェラートで、白花豆とか、大吟醸とか、山ぶどうとか、フレーバーがいろいろあって、しかも美味い!

さらに、土日祝限定販売の「寒天バー500円」が大人気だそうです。
秋田県南地方には、果物や卵やサーモンなどの食材を、寒天で固めて食べる「総菜寒天」文化があるそうで、甘いデザート寒天と塩味のおつまみ寒天が、5種類セットになったもの。見た目も可愛くて、是非、食べてみたい!

2階にある「レストラン 二ツ森」も、丁寧に手もみした地元産の山菜ゼンマイを卵とじにした「手揉みゼンマイ卵丼」とか、「比内地鶏の親子丼」、比内地鶏スープのラーメン、稲庭うどん、道の駅弁当など、魅力的なメニューがいっぱい。なのに、ラストオーダーが16:30(平日。土日祝は17:30)って……、遅めのランチのつもりで利用するといいかと思います。
そしてさらに、道の駅おがちの駐車場には、木陰がある!

通常の駐車場の他に、樹木が植えられた駐車スペースがあるのです。
木陰の駐車場って本当に稀有、ということを今回の旅で実感したので、もう目が点になるくらいビックリの素晴らしいお心遣いです。さすが小野小町の郷。
そんな訳で、道の駅おがちは車中泊に超おすすめの道の駅です。平日は17時で閉店になるので、そこのところはご注意ください。
新庄ICからの高速ルート
さて、雄勝こまちICから、山形の新庄ICまでは高速道路建設中なので、国道13号を南下して、新庄ICまでは下道で1時間です。
新庄ICからは東北中央自動車道(E13)に乗り、後は東京まで高速道路です。新庄ICから東根ICまでは無料区間で、そのまま東北中央自動車道有料区間となり、東北自動車道(E4)に合流できます。
新庄ICから東京方面へのルートは2ルート。
① 山形JCTで、山形自動車道(E48)を経由して、村田JCTから東北自動車道に合流
② 福島JCTで、東北自動車道に合流(米沢北IC〜福島JCTまで無料区間)
東根ICから浦和ICまでのETC通常料金(軽自動車)を比較すると、①6670円(368km)②6460円(355km)です。②を選びたいところですが、
ここで超大きなポイント!
私の場合、この後、東北自動車道上に深夜時間帯まで滞在し、深夜料金が適用になってから首都高に入る予定です。で、念のため深夜料金を比較したところ、①4670円、②4980円と、高速料金が逆転するのです。
なんでー?!?
①は無料区間がないため、東根IC〜浦和ICまで、通しの料金計算(4670円)で、全額深夜料金適用となりますが、②の場合、東根IC〜米沢北IC(1,540円)+米沢北IC〜福島JCT(無料)+福島JCT〜浦和IC(3,440円)と中途半端に刻まれて、高速道路の鉄則「長距離になればなるほどお得」の恩恵が受けられない+米沢北ICでいったん精算するので、深夜料金が適用にならないのです。
まあ、たかが310円に超大きなポイントもないのですが、「無料区間を利用すればお得」がアダとなることもあるという教訓です。
高速道路で大雨。事故多発!
ということで①のルートをとり、山形JCTで山形自動車道に入ります。
散々寄り道してすっかり暗くなりましたが、後は高速道路なので安心です。が、油断していたら山形県から宮城県に入った途端、物凄い雨! 真っ暗なのに、真っ白にホワイトアウトしちゃうくらいのすごい大雨。村田JCTまで、ゆっくり安全走行して、なんとか東北自動車道に合流。大型トラックも多く、雨もひどかったので、新庄ICから2時間走った福島県の国見SAでリタイア。
雨が止みそうになかったので、車中泊して明るくなってから運転再開することにしました。
国見SAステキ!
ということで国見SAが今夜の車中泊会場となりましたが、まあ、ここのSAきれい!

トイレも施設も超キレイ。そして誰もいない。


地元フルーツ直売コーナー「くにみだもの」。

4日目 那須で通行止め
4時半になり、明るくなってきたので再出発です。雨もほぼ止んだので、トイレに行って高速道路情報を見たら、なんと「那須〜黒磯板室」上り車線が車両火災のため4:17から通行止め。ガーン。
ここで私の頭に浮かんだのは「通行止めって、那須ICで降りて黒磯ICで乗り直すってこと? 深夜料金はどうなるの?」というせこーい不安。自分にガッカリですが、それが私です。
ググってみると、ETCカードの場合は、同一カードでETCレーンを走行すれば、自動的に通行止め料金調整がされるとのこと。もし適用されてなかった場合は、異議申し立てができることもわかり、安心して出発。
那須高原SAで朝食を食べて、那須ICで一旦高速を降ります。

そしてせっかくだから、あの最安値ガソリンスタンド『ローソン+ガソリン」に寄って行こうじゃないですか、ひゃっほー!
ローソン+ガソリンスタンド
インターを降りて、下りインター入口手前にあったはずの『ローソン+ガソリンスタンド』を探すと、なんとこのガソリンスタンド、那須インター下り入口車線と、上り入口車線の間の中洲に店があり、道路の両側から入れるようになっていました。気づかなかったわ〜、すごい便利、やり手だわ〜。
ということで、またまた154円でガソリンを入れて大満足です。給油ノズル浮かせて、ギリギリまで入れちゃうわよ。
そこからは黒磯板室ICまで下道を行き、黒磯板室ICから再び東北自動車道へ。
羽生PA
途中、羽生PAにトイレ休憩で立ち寄ったら、なんだか知らないけど、いきなり江戸時代なんですけど……、トレイ汲み取りだったりしないよね?


那須高原SAでパンを食べといて、よかった。空腹だったら「本所深川」で散財するところでした。
トイレだけ利用して、屋台が連なる楽しげなみやげ処(両国広小路を再現したらしい)は見ないようにして、再び東北自動車道へ。
すでに首都高の朝の渋滞が始まっていましたが、もう疲れちゃったのでそのまま渋滞に突入し、最寄りのランプで降りて無事帰宅できました。
まとめ
長〜い車中泊の旅が、やっと終了です。
かかった高速料金
東北道(青森〜鹿角八幡平):2090円
東北中央自動車道(横手〜雄勝こまち):370円
東北中央自動車道(東根〜那須):3030円(深夜)
東北道(黒磯板室〜浦和):1620円(深夜)
首都高(東北道接続〜最寄りランプ):750円
合計:7860円(ETC・軽自動車)
今回は那須〜黒磯板室間が通行止めで、東北道乗り直しとなり、深夜割引がちゃんと適用されるのか不安でいたが、ちゃんと調整されていました。東根IC〜浦和ICを通しで乗った場合の深夜料金は4670円。実際にETCカードから引き落とされた金額は、3030円+1620円=4650円でした。20円安いのは、端数料金切り捨てのためだと思います。
帰りもやっぱり、無駄に時間を掛けて、高速料金節約のはずが、それ以上に散財しましたが、東北のいろいろな良さが見られて、とても楽しかったです。
そして何より、私、運転好きだわー、全然飽きないわー。ハスラーいいわー、いつでもどこでもマイハウスでいいわー、買ってよかったわー、お値段以上の車だわー。と、これまで以上にハスラーが好きになりました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
行きの道中「車中泊で行く東京から北海道の旅」はこちら