ヴィパッサナー瞑想 持ち物(2024年3月更新)

ヴィパッサナー瞑想10日間コースに必要な持ち物のリストです。コロナ以降以前よりも、センターから参加者への備品の貸し出しが制限されています。

感染症対策は万全に

5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症となったことを受けて、センターのコロナ対策は徐々に緩和されていましたが、京都ダンマバーヌ、千葉ダンマーディッチャともに、8月のコース中に集団感染があり、コース中に感染拡大したそうです。また、12月にも同様に集団感染があり、最終日を迎えずにコース終了となったようです。

宿泊施設はカーテンで仕切られているだけですし、シャワーや洗面所も共用です。1人感染者がいると、その人が触った蛇口やドアノブ、寝ている間に咳をしてウイルス拡散など、コロナに限らず、普段の環境よりも感染確率は高くなると思います。

また、いずれの場合も感染拡大は男性だったようです。これって、やっぱり女子は普段から手洗いなど、衛生観念がしっかりしているからかなぁ、と思います。男子って、トレイの使用後に手洗わない人が多くないですか? 直接触れるから絶対、女子よりガッツリ洗った方がいいと思うのですが……。洗おうよ、男子、10日間だけでいいから。でもって、自分のハンカチを持参して、それで手をふこうね。ぶら下がってるフキンとか、雑巾でふかないようにね。

そんなわけで、マスクなしの生活が定着しつつある今こそ油断禁物です。コースに参加される方は、1週間前から極力人混みや集まりを避けて、不織布マスクを着用するなど、しっかり感染防止に努めた上で、参加されるのがいいと思います。感染対策を徹底していた以前は、一度も集団感染などなかったのですから、しっかり対策していれば大丈夫。自分のためにも、一緒にコースに参加される方々のためにも、万全を期して挑んでくださいね。

必須の持ち物

不織布マスク(滞在日数分)

コロナに限らずインフルも大流行です。咳が少しでも出るようなら、必ずマスクをしましょう。他者のためです。布マスクじゃなきゃ嫌とか言ってる場合ではありません。不織布マスクが無理な人は、今のコース参加は見送った方がいいでしょう。

体温計

毎日、持参した体温計で各自検温し、用紙に記入します。

シーツ・掛け布団カバー・枕カバー 3点セット

毎日身体に直接触れるものですから、必ず持参します。寝袋の使用は不可です。

瞑想座布団の上掛け布 2枚

瞑想ホールの座布団用と、個室の座布団用(各自の部屋、またはセル室)の2枚が必要です。サイズは90cm×90cmの座布団が覆えるくらいのもので、風呂敷やバスタオルなどでも代用できます。生地屋さんで、リラックスできる肌触りの布を1メートル購入するのもいいですね。切りっぱなしで全然OKです。

瞑想ホール用は、他の瞑想者の妨げとならないよう、赤や黒、華美なもの、柄物は避けます。自分はお尻の下で見えなくなりますが、他の瞑想者の視界に意外に入るものなので、目に優しいブルー系かナチュラルベージュ、白系がベストだと思います。

食堂用のスリッパ(ダンマーディッチャのみ)

コース中は、食堂入り口にある棚の自分の部屋番号の棚の上段にスリッパを入れておき、下段には外履きを入れるようにします。

食器(ダンマバーヌ のみ)

皿、お椀、コップ、箸、スプーン、ティースプーン、フォーク、食器が入る布製の袋または大きめの布、皿拭き用クロス(自主管理なので必要枚数)。食器は食堂の各自の席に保管します。ダンマーディッチャには、食器用の高温殺菌設備があるので不要です。

個人的にはマイ食器の方が安らぎますが、瞑想的には、愛着はドゥッカ(苦しみ)の元なのでNGですかね。(笑)

水筒

滞在中の水やお湯は、各自で用意した水筒に入れて飲みます。お湯用にサーモスのような保温ボトルと、冷水用のボトルの2種類があった方がいいです。直飲み型水筒の場合は、口が広く、水筒の飲み口が給湯ポットの注ぎ口に触れずに注げるものを。ペットボトルでの代用はNGです。

時計

最近はスマホを時計代わり、目覚まし代わりに利用している人がほとんどだと思うので、時計という存在を忘れがちですが、スマホやスマートウォッチは、コース開始前に貴重品と一緒に預けなくてはいけません。「オッと、時計がないぞ」ってことになります。

ダンマーディッチャは敷地が広く、鐘の音が聞こえないことがあります。時計があるのは、シャワー・トイレ棟と食堂だけです。時計は持っていった方がいいです。

以前は貸出ししていましたが、返却されないことが多く、数が少なくなり、ついに貸出ししてくれなくなりました。そしてアラームの使用も禁止になりました。朝、アラームが鳴りっぱなしのことが、すごーく頻繁にあるからです。

朝、4時に起きる自信がなくてアラームをかけたくなる気持ちはわかります。しかし、アラームをかける人ほど、緊張感からかアラームより早く起きてしまうんですね。そして起きると心が次の行動にすっ飛んでしまい、アラームのことは忘れて、洗面に旅立ってしまうのです。そして主のいない部屋では、アラームがセット時刻通りに鳴ってるんです……ずっと。これって、瞑想コース「あるある」なので、ご注意ください。

時間だからって起きなくても大丈夫だし、通常はみんながバタバタ動き始めて、廊下の電気もついて、うるさい! 眩しい! で、起きちゃいます。最悪、爆睡してても、どうってことありません。寝てちゃダメな時間になれば、ちゃんとコースマネージャーが起こしにきてくれます。安心して自然体で起床しましょう。

ゴミ用ビニール袋 数枚

部屋にゴミ箱はないので、私はジップロック大をゴミ箱にして、最終日に捨てています。圧縮もできて便利です。

ハンカチとティッシュ

私はティッシュ星人なので、箱ごと(ソフトパック)持っていきます。ハンカチは、乾きやすいリネンの洗い替えを1枚だけ持っていき、毎日洗って使ってます。

タオル

バスタオルはかさばるし、干す場所も必要になるので、私は普通サイズの薄手タオルを3枚持っていきます。髪の毛用、身体用、洗顔用に分けて使っています。麻素材のものにすると、更にかさばらずに乾くのも早くて便利です。手拭いも、枕カバーにしたり、物を包んだり、いろいろ応用が効きますよ。

洗面・お風呂セット

洗顔料、歯ブラシ、歯磨き粉、化粧水、乳液など必要なもの。石鹸、シャンプー、リンスなどは、他の参加者に配慮して無香料のものを用意しましょう。

コース中はシャワー棟の棚に置けるので、ポーチやケースに入れておくとスマートです。

お風呂(シャワールーム)にバスマットはありません。必要な人はタオルなどをご用意ください。私はシャワールーム内でバスタオルで片足ずつ拭いて、すぐに靴下を履いてしまいますが、着ていた肌着をマット代りにすることもあります。洗って使えるペーパータオルをマット代わりにするのもいいですね。

衣類

瞑想中リラックスできる部屋着上下、洗い替え上下、就寝用上下、下着、靴下など。下着は雨天で乾かない場合用に、+1組あれば安心です。ただしダンマバーヌ は物干し場が狭いため、10日分を持参することが推奨されています。

服装は控えめに。目立つ服装は、他者の気を引く刺激となり、瞑想の妨げとなるのでNGです。マントラTシャツとか、本人は修行のつもりで着用しているのかもしれませんが、読めちゃうと(=唱えることになる)本当に迷惑になるので、気をつけましょうね。

身体のラインがわかる服透ける服露出の多い服は禁止されています。ショートパンツやノースリーブ、スパッツがこれにあたります。ズボンやスカートはふくらはぎ丈か、座った時にそれ以下の長さになるものを選んでください。

また、カサコソと音のする衣類も瞑想ホールではNGです。特にダウンはガサガサうるさーい!ので気をつけましょう。ダウンよりも防風タイプのフリースが、音もしなくて便利です。ユニクロのフリースで十分です。

オーガニック系の衣類は乾きにくいものが多いので、コース中は速乾性のアウトドア用の衣類が重宝します。私はコース中は山登りのつもりでアウトドア用のメリノウール系の衣類を中心に、荷物を極力コンパクトにしています。10日間ずっと同じ格好の人もいるので、あれこれ着替えるよりも、最低限でどこまでできるか、自分の限界を試すのも楽しいですよ。

洗濯用洗剤

洗濯は手洗いで、脱水機のみ使えます。洗濯物干し場で使用するハンガーは、センターのものが使用できます。

泡立つ洗剤だとすすぎが面倒なので、重曹エコ洗剤をもっていくといいと思います。私はがんこ本舗の「海へ」か、レルムナチュレのホタテパウダー「618」を持っていきます。

柔軟剤や消臭剤は、化学物質過敏症の人もいるので、持ち込まないようにしましょう。特に柔軟剤に含まれる陽イオン界面活性剤や、マイクロカプセルの香料は有害物質です。厚生労働省など5つの省庁が「その香り 困っている人もいます」というポスターで注意を促しているくらいです。自分のためにも、地球のためにもやめときましょうね。

持参すると便利なもの

瞑想ホール用のショール

必要であれば持参します。私は頭から被っていると安心できる派なので、春夏はオーガニックコットンのショール、秋冬はMUJIの薄手毛布(圧縮すると結構コンパクト)を持参します。

夏場の冷房対策にはシルクのショールが、薄いのに繭で包まれたように暖かくおすすめです。モンベル のブランケットも、軽量でコンパクトなので冬に重宝します。

雨具

傘はセンターの備品が使えます。ダンマーディッチャの場合は、各棟が離れているので、台風シーズンなどは、レインポンチョやレインラップスカート、アウトドア用の雨具などがあった方がいいです(百均のものでOK)。結構、ずぶ濡れになります。

ペーパータオル

洗って使えるタイプのペーパータオルを数枚。雨で濡れたものを拭いたり、ちょっとした汚れや水濡れを拭き取るのに便利です。軽くて薄いので数枚、カバンに忍ばせても負担になりません。台風シーズンには是非!

懐中電灯

なくても問題ないですが、ダンマーディッチャは瞑想ホールからトイレまでの道が暗いので、あれば足元が安全です。月明かりがあれば十分明るく大丈夫ですが、新月だと暗いです。

また、夜間にトイレに起きる際に、部屋の明かりをつけると上部から明かりがもれて、他の部屋の人を起こしてしまいます。そんな時に、懐中電灯で手元足元だけを照らして、部屋から出るといいですよ。私は登山用のヘッドランプを持参しています。

私が絶対持っていくもの

使い捨てカイロ

私は夏でも必ず持参します。夏は冷房で冷えたり、お腹の調子が悪い時などにお腹に貼ると救われます。普段と食事も違うし、瞑想のせいか、私は毎回、腹痛三昧なのです。

トイレが近い人は、下腹部にミニを貼るといいですよ。膀胱のキャパが上がります(笑)。逆に背中の腰あたりに貼ると、腎臓の働きが活発になり、トイレが近くなるのでご注意くださいね。

冬はお尻に貼るとポカポカしてリラックスできます。手が冷たくなる人は、貼らないカイロもあると安心です。

耳栓

コロナ対策で現在は「新しい生徒(はじめての参加者)」も個室ですが、個室といっても千葉はカーテンで仕切られているだけです。音がよく聞こえます。必ず大きないびきの参加者がいるものなので、耳栓はあった方がいいです。私はとっても音にひきづられるので、自由瞑想中も耳栓をしています。

アイマスク

同様に21時に即効寝ようと思っても、廊下の灯は21時半頃まで点いています。宿泊棟の部屋のカーテンの上部は開いているので、部屋の位置によっては廊下の灯がダイレクトに入ります。眩しいと眠れない人には必須です。アイマスクと耳栓をして眠ると、深〜く眠れますよ。

爪切り

10日もいると結構、爪が伸びるんです。そしてとっても気になる。足の爪も気になる。切りたくなるのです。是非、お持ちください。

DAとDBで違いがあるのは、なぜ?

ダンマーディッチャもダンマバーヌも、同じヴィパッサナー瞑想協会のセンターですが、日本ではそれぞれが非営利型一般社団法人として個別に法人登録されています。

法人として日本の法律に則って活動していますから、コロナの対策に関しては、ダンマバーヌ は京都府の指針、ダンマーディッチャは千葉県の指針に従わなければなりません。営利目的ではないとはいえ、食事を提供する宿泊施設でもあるわけですから、当然、各自治体が管轄する保健所の指示に沿って対策しなければ活動できません。

ですから、使い捨て手袋はエコじゃない、アルコールスプレーは嫌、不織布マスクは嫌、と言ってる場合ではないのです。嫌でも我慢して従わなくてはならないこともあるのです。遵守すべき点が守られていないと、営業停止になるからです。

食品廃棄も同じです。大量廃棄を前にショックを受ける奉仕者も多いのですが、当日廃棄が行政のルールなのです。従わずに食中毒が出たら、即、営業停止、つまりコース中止です。誰もがもったいないと思っていますが、それが日本で活動を続けるための行政のルールなのです。

ただでさえわずかしか参加できない瞑想コースが、すべて中止になってしまうのは困りますよね。ですから、どうぞ、個人的なこだわりはセンターでは我慢して、センターの指示通りに準備して参加するようにしましょう。

センターの備品について

コースが始まってから、忘れ物に気づいたり、欲しいものが思いついたりもします。そんな時、古い生徒さんは勝手がわかるので、ついついセンターの備品を勝手に出して使ったりしがちです。よくあるのが、シャワー室にバスマットがないのに気づいて、備品庫を物色するパターン。でも、ちょっと待って! それってパンチャ・シーラ(五戒)に触れてませんか?

五戒の2番目にある「盗みをしない」は、「自分に与えられていないものは取らない」ということです。備品庫から勝手に出して使った物は、与えられたものでしょうか? 会社の備品も私的に利用すれば、窃盗罪または業務上横領罪です。

なにか忘れ物が思いついたら、まず、それは必要な物なのか、欲しい物なのかを自分に問うてみましょう。欲しい物は修行には必要ないので、不要ですね。必要な物であれば、面倒でもコースマネージャーに伝えて、与えてもらいましょう。必要なものは、必ず与えられるので大丈夫です。

緊急事態で止むを得ず使用する場合は、事後報告でいいので一言ね。トイレットペーパーがなくなったので勝手に出すのは、みんなのためだからOKだと私は思っています。いずれにせよ、正解はないので、自分の良心に相談してみてくださいね。

シーラを守ることは、私たちが思う以上に重要です。決まりだから守るのではなく、それが盗みなのだと気づけていない自分に気づくことが、大きな学びになるのだと思います。シーラの1番目「生き物を殺さない」も「他を傷つけない」という観点で、さまざまな自分の行動を振り返って気づくチャンスです。だから瞑想コースには、シーラ(戒め)・サマーディ(精神統一)・パンニャ(智慧)の3つが必要なのだと私は理解しています。みなさんはどうですか?

まとめ

あれこれ持っていきたくなるものですが、瞑想コースの場合は、迷ったら持っていかないのがオススメです。

あふれる物や情報にとり囲まれた生活から、離れられる機会はそうそう得られません。せっかくだから、出家する気分で最低限に挑んでみてください。心配性の自分を手放すいい機会です。不便を感じたところで、たかだか10日間で終了です。むしろ、何もなくても、十分生きられるものだなーと、新たな自分が発見できる貴重な10日間になるかもしれませんよ。

以上です。よいコースを!

千葉ダンマーディッチャへの行き方 裏技編

NEXT:はじめてのヴィパッサナー瞑想体験 京都

目次に戻る