はじめに

スッタニパータとは

Sutta(スッタ)とは「法話格言アフォリズム(人生・社会・文化等に関する見解を簡潔に述べた短文表現)」のことで、Nipāta(ニパータ)は「綴り集まり」のことです。スッタニパータは「ブッダの法話集」という意味になります。

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パーリ仏典Tipiṭaka(ティピタカ)3つの籠2つ目のピタカである『Sutta Piṭaka(スッタ・ピタカ)』には、ブッダの教えがすべて納められています。その5番目『Khuddaka Nikāya(クッダカ・ニカーヤ)短編集』の、第5巻がスッタニパータです。
 
ティピタカ の中でもスッタニパータは、最初期にできた最古の経典といわれ、北伝の大乗仏教には伝播しなかったため、一部(第4章 Aṭṭhaka-vagga)を除いて漢訳は存在しません。東南アジア諸国に広まった南伝の上座部テーラワーダ仏教にのみ伝わる法話集です。
 
ダンマパダが、ブッダの教えを段階的に学べるように編集したものであるのに対して、スッタニパータは、ブッダが各地で教えを説いた際のやり取りや、ブッダ誕生の際のエピソードなどを、対話形式でまとめたものです。生きるための基本的な行動規範から涅槃に至る質問まで、ブッダが教えたままに理解できるスッタ集です。ダンマパダは初心者向け、スッタニパータは教えを深めた出家者向きともいえるでしょう。

翻訳の底本

当サイトの翻訳は、パーリ語の原典から直接日本語に翻訳しています。底本は、第6回結集(1954年5月〜1956年5月にミャンマーで開催)で編纂・公式承認された『Tipiṭaka ミャンマー版(the 1958 Sixth Council Edition)』です。
 
1155話のスッタ(法話)が、5章に分かれて構成されています。日本語訳の底本によく用いられるPTS版Pali Text Society:英・オックスフォードの仏教学者による編集)とはスッタ数が異なりますので、ご注意ください。

翻訳にあたって

各スッタについている「SNからはじまる番号」は、「章の番号スッタ集の番号 – 全編での通し番号」になっています。例えば、第1章の5番目のスッタ集に変わっても、SN1-5-1から始まるではなく、SN1-5-83と続き番号から始まります。
 
当サイトの翻訳は、ブッダの教えを宗教的要素や他者の解釈をかませずに、瞑想実践者として直接確認したいという思いで作成しています。一般的な解釈とは違う部分も多々あるかと思いますが、あくまで私の視点によるひとつの解釈であり、百人いれば百人の翻訳があっていいと思っています。違いも楽しんで読んでいただけたら幸いです。

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目次

第1章:蛇 Uraga-vagga 1〜223

1. 蛇
  1〜5 6〜13 14〜17

2. 富裕層ダニヤ
  18〜25 26〜34

3. 犀(サイ)のように
  35〜42 43〜49 50〜59 60〜70 71〜75

4. 農夫バーラドヴァージャ
  76〜80 81〜82

5. 鍛冶屋のチュンダ
  83〜90

6. 破滅
  91〜96 97〜104 105〜115

7. ヴァサラ・卑しい人
  116 117〜125 126〜134 135〜142

8. 慈悲・メッター(Metta suttaṃ)
  143〜152

9. ヒマラヤに住むヤッカ
  153〜163 164〜174 175〜182

10. 森に住む妖怪アーラヴァカ
  183〜194

11. 勝利
  195〜201 202〜208

12. ムニ(非公開)
  209〜223

第2章:小さな章 Cūḷa-vagga 224〜406

1. 宝物(Ratana suttaṃ)
  224〜231 232〜241

2. 生臭いもの
  242〜248 249〜255

3. 恥
  256〜260

4. 幸せ(Mangala suttaṃ)
  261〜266 267〜272

5. 妖怪スーチローマ
  273〜275

6. 出家生活
  276〜280 281〜285

7. バラモンの教え
  286〜293 294〜300 301〜308 309〜317

8. 船
  318〜325

9. 戒め
  326〜323

10. 奮起
  333〜336

11. ブッダの息子ラーフラ
  337〜344

12. ニグローダカッパ
  前文 345〜360

13. 正しい遍歴
  361〜369 370〜377

14. ダンミカ
  前文 378〜394 395〜406

第3章:大きな章 Mahā-vagga 407〜771

1. ブッダの出家
  407〜426

2. ブッダの苦行
  427〜451

3. 善い話し方
  452〜456

4. スンダリカのバラモン司祭
  457〜470 470〜490

5. 学徒マーガ
  491〜497 498〜415

6. 遍歴行者サビヤ(六師外道)
  前文 515〜517 518〜532 533〜542 543〜552

7. バラモンの学者セーラ(三十二相)
  553〜566 567〜578

8. 心に刺さる矢
  579〜598 

9. 三明のヴァーセッタ
  599〜611 612〜625 626〜652 653〜661

10. 地獄に堕ちたコーカーリカ
  662〜683

11. アシタ仙人の甥 ナーラカ
  序編 684〜703 本編 704〜728

12. 2種類の観察法
  729〜742 743〜758 759〜771

第4章:8つのこと Aṭṭhaka-vagga 772〜981

1. 欲望
  772〜777

2. 8つの洞窟:心の闇
  778〜785

3. 8つの悪い心
  786〜793

4. 8つの純粋な心
  794〜801

5. 8つの至高
  802〜809

6. 老い
  810〜819

7. ティッサ・メッテイヤ性欲について
  820〜829

8. 論破好きのパスーラ
  830〜840

9. マーガンディヤ
  841〜846 847〜853

10. 死ぬ前に:平穏に生きる覚醒者の特徴
  854〜860 861〜867

11. 争いと口論
  868〜875 876〜883

12. まとめ(小)
  884〜892 893〜900

13. まとめ(大)
  901〜906 907〜913 914〜920

14. 速やかにやるべきこと
  921〜926 927〜933 934〜940

15. 暴力
  941〜946 947〜953 954〜960

16. サーリプッタ
  961〜968 969〜981

第5章:彼方への道 Pārāyana-vagga 982〜1155

0. 序文
  982〜1037

1. アジタの質問
  1038〜1045

2. ティッサ・メッテイヤの質問
  1046〜1048

3. プンナカの質問
  1049〜1054

4. メッタグーの質問
  1055〜1066

5. ドータカの質問
  1067〜1074

6. ウパシーヴァの質問
  1075〜1082

7. ナンダの質問
  1083〜1089

8. ヘーマカの質問
  1090〜1093

9. トーデイヤの質問
  1094〜1097

10. カッパの質問
  1098〜1101

11. ジャトゥカンニの質問
  1102〜1106

12. バドラーヴダの質問
  1107〜1110

13. ウダヤの質問
  1111〜1117

14. ポーサーラの質問
  1118〜1121

15. モーガラージャの質問
  1122〜1125

16. ピンギヤの質問
  1126〜1129

「彼方への道」謝辞
  1130〜1136

スッタニパータは2021年12月24日から翻訳を始めて、約2年かけて2024年1月5日に完成しました。当初は1章と4章だけを翻訳するつもりでしたが、5章も、2章も、と進み、そして「絶対やめとこう」と思っていた3章も翻訳することができました。これはひとえに翻訳を楽しみに待っていてくださった、みなさまのおかげです。自分のためだけでは、とても頑張れませんでした。本当にありがとうございました。Norma❤︎