B. Iriyāpatha Pabba 身体の動作
さらに、修行者たちよ。
歩いている時には 「(身体を移動させて)歩いている」とはっきり自覚する。
立っている時には 「(身体を垂直に起こして)立っている」とはっきり自覚する。
座っている時には 「(身体を折り曲げて)座っている」とはっきり自覚する。
横になっている時には 「(身体を水平にして)横になっている」とはっきり自覚する。
つまり、自分の身体がどのように動いているのか、止まっているのか、をはっきり自覚する。
このようにして身体を、身体の内側からありのままに観察し、または身体の外側から、あるいは身体の内側と外側を同時に、観察するのです。身体が生じるという現象を観察し、または身体が消滅するという現象を、あるいは身体が生じては消えるという現象を観察し続けるのです。そうして「すべての物事は、絶え間なく変化し続ける現象に過ぎない。身体は身体に過ぎない。私でもなく、私のものでもなく、自分でもない」という気づきが確立されるのです。この智慧と気づきがある限り、この世に自分など存在しないのだから、存在しない自分が執着していた「苦悩」もなくなるのです。
修行者たちよ。修行者は、このようにして身体を身体において観察し、生きるのです。
1.カーヤーヌパッサナー(身体の観察)02.身体の動作 了
解説
人間の身体は、いろいろな動作を複雑にこなしていると思うかもしれませんが、重力に対して、バランスを取っている時の身体の姿は、静的または動的な行動が加わって現れる4つの姿に過ぎません。身体を垂直に起こしている状態(立つ)・移動している状態(歩く)・折り曲げている状態(座る)・水平にしている状態(横になる)の4つです。