後悔してませんか?

くじら座の方角6700万光年にある銀河 NGC178。1885年にアメリカの天文学者が発見したが、位置を誤って登録。1892年にフランスの天文学者が再発見し、その位置に登録がなかったので新しい銀河 IC39 として登録した。その後、別の天文学者が最初の誤りに気づき、2つの銀河が同じであることが判明した。 ESA/Hubble & NASA

私はしょっちゅう後悔してます。

失敗したって、「あー、失敗しちゃった。ま、いっか」と思えば済むものを、そう思う一方で思い出しては、いつまでもしつこーく、グダグダと心の中でトグロを巻き巻きしております。

完璧主義で、失敗した私を認めるのが嫌なのですね。

後悔もまた「怒り」のひとつ

後悔(kukkucca クックッチャ)とは、決定の結果が好ましくなかったため、過去に別の決定をしたことを願う感情です。 自己嫌悪を伴います。

後悔をしている時は、これ以上進める気持ちがなくなり、心とからだの活動が止まってしまいます

「失敗した!」と思ったら、それ以上進めようとは思いませんよね。過去の時点に心が留まり、活動力が停止します。そして後悔すればするほど、この暗〜いエネルギーは膨張するのです。どよ〜ん。

そんな時、どうすればいいのか?

失敗を明るく認める

失敗を認めてしまえばいいのです。

「大失敗しましたっ!」と、ものすごく正直な気持で、堂々とそれを認めればいいのです。

「以後、気をつけます」と反省したり、「次回はしっかりやる」必要もありません。

ただ失敗した事実を、そのまま素直に認めるだけでOKです。何も加えたり、引いたり、ごまかしたり、正当化したり、懺悔したり、許したりする必要はありません。明るい心でありのままに、正直に認めてしまえばいいのです。それだけです。

殺人鬼アングリマーラは後悔しなかった

アングリマーラは、コーサラ国の司祭長の息子でした。とても優秀な学生で、先生とその妻に気に入られていましたが、そのことを妬んだ生徒たちから「先生の奥さんと不倫している」と嘘の噂を立てられます。

最初は気にしなかった先生も、何人もの生徒が同じことを言うので信じてしまい、復讐を企てました。直接、殺すわけにはいかないので、アングリマーラに「供養のために1000人を殺し、その指を切り取って首輪にすれば、特別な修行が完成する」と指示しました。

アングリマーラは非常に抵抗がありましたが、師の教えを信じて従いました。999人殺したところで、1000人目の標的としてブッダに出会います。本当は、アングリマーラの母親が1000人目の標的でしたが、そのことに気づいたブッダが身代わりになったのです。

アングリマーラはブッダを殺そうと追いかけますが、ブッダはつかまりません。業を煮やして「止まれ!」とブッダに叫ぶと、ブッダは「私は止まっている。止まっていないのはあなたの方だ」と言いました。そしてこう続けました。「私は全ての生き物を殺すことを止めているが、あなたは人を殺し続けている。あなたは止まっていない」。これを聞いてアングリマーラは、自分がしてきたことの過ちに気づきました。

アングリマーラは改心し、ブッダの弟子となって懸命に修行して、短期間で悟りを得て解脱しました。しかし托鉢に行くたびに「人殺し」と石を投げられて、ある日、頭に重傷を負ってしまいます。なんとかブッダの元に戻ったアングリマーラは、ブッダから「我慢しなさい。あなたは悪を退治した。自分が行った行為の代償を現世で払っているのです」と言われます。そしてそのまま息を引き取り、涅槃を実現しました。

このアングリマーラは改心し、修行して解脱しましたが、999人殺したことを後悔しませんでした。もし後悔していたら解脱できません。後悔せず、自分がしたことをありのままに受け止めたからこそ、解脱できたのです。

一方、アングリマーラに殺された999人の遺族たちは、生涯アングリマーラを許すことなく、嘆き悲しみ、悔やんで一生を過ごしました。恨みでいっぱいになった心は、もちろん解脱どころではありません。アングリマーラに石を投げつけ、彼を殺したのです。

その結果、殺人鬼のアングリマーラは涅槃を実現して幸せになったのに、被害者の遺族は誰ひとり幸せになれなかったのです。最後に石を投げつけた人は、大きな悪徳まで背負うことになったのです。

非難する行為は、非難される側の罪よりさらに重い罪になります。論理的に話して人の過ちを正すような批判は必要ですが、非難は罪です。

アングリマーラのこの話は、善良に暮らす人々には受け入れがたい部分もあるかもしれません。しかし、もし刑務所で極刑者としてこの話を聞いたならば、なにか光を見出すことができるかもしれません。

後悔しても現実は変化しない

後悔したところで現実は変わりません。失敗したままです。

だから、わざわざ後悔を心の中で反芻して、暗い心を大きく育てる必要はないのです。

結果として色々ネガティブな状況になったとしても、それを後悔しない

その代わり、自分のミスを「やっちまいました!」と正直に認められる明るい心をつくると、それはとても明るいポジティブなエネルギーになるそうですよ。

銀河の位置くらい間違えたって、どうってことないのです。「へー、そうなんだ」で終了です。もう忘れてたでしょう?

以上です。