ハチドリのひとしずく
最近、『ハチドリのひとしずく』という南米の寓話を偶然知りました。
きっとご存じの方も多いと思うのですが、南米アンデス山地の先住民・ケチュア族に伝わる寓話だそうです。寓話は短く、こんなお話です。
ハチドリのしずく
ある日、山火事が起こりました。
動物たちはみな、命からがら逃げ出し、
燃え盛る炎を前に立ち尽くして、恐怖と悲しみの中、炎を見ていました。
そんな動物たちの頭上で、一羽のハチドリが何度も何度も炎に向かって飛んでいました。
動物たちは、ハチドリに何をしているのかと尋ねました。
「火を消すための水を汲みに、湖まで飛んでいるんです」
動物たちは笑いながらハチドリに言いました。
「そんな水滴じゃ、この火は消せないよ!」
ハチドリは
「私は自分ができることをしているだけです」と答えましたとさ。
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短いお話ですが、いまの私には深く心に刺さりました。あぁ、ハチドリよー
自分の外側で起きていることの激しさに直面した時、自分の力ではどうにもならないと感じて、手も足も出せずに、ただ見るだけの動物たちの姿が、自分の姿に重なりました。
ハチドリの行動は、シンプルで力強いですね。どうすべきかとか、他者が何をしているかは眼中になく、自分が運ぶ一滴の水で火が消えるかどうかの判断もせず、ただ、今、自分ができることを精一杯するだけ。あー、それでいいんだ。それしかないんだ。
今いる場所で、いま与えられているものを用いて、ベストを尽くす。
短いですが、以上です。